浮気相手に慰謝料請求する確実な証拠と内容証明郵便の書き方

田中 好太郎

内容証明郵便
田中好太郎

田中 好太郎

【経歴】 大手総合調査事務所に在籍 【実績】 浮気調査・人探し。アドバイザー 【現在】 浮気探偵ナビの監修

浮気相手に慰謝料を請求する時に、こちらの意思を伝える事ができるのが内容証明郵便です。

この内容証明郵便はその名の通りに内容分を証拠として残しておき、示談で解決できなかった時に裁判で証拠となります。

書類を送った送らないと言う争いを避けるために、内容証明郵便を利用するケースが多いのです。

また、浮気の証拠がなくても浮気相手に慰謝料請求はできます。請求はできても相手が浮気を認めなければ慰謝料の請求は行われません。

浮気相手に浮気を認めさせるために、浮気の証拠が必要になります。

そして浮気の証拠を集めたら、相手に内容証明郵便を送ります。本記事では、確実な浮気の証拠と内容証明郵便の書き方を説明していきます。

こんにちは。進行役を務める浮気 探偵ナビ編集部の折原めぐみと申します。拙い解説でお聞き苦しいところもございますが、どうぞお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
折原めぐみ
折原めぐみ

浮気相手にに慰謝料を請求できるケース

  • 既婚者と知っていて浮気した事。
  • 貞操義務違反があった事。
  • 夫婦関係が破綻していない事。
  • 法的な証拠がある事。
  • 時効(3年)が過ぎていない事。

浮気相手に故意 過失がある

原則的に浮気相手に慰謝料を請求する場合には、浮気相手が既婚者と知りながら性的行為をしたかどうかになります。

そして、既婚者と知らずに性的行為をした場合には、どれだけ浮気相手に過失があるかがポイントになります。

例えば、社内不倫の場合には相手が既婚者とわかっていて不倫したことになりますよね。

この場合には、相手が既婚者とわかっているのですから、浮気相手は故意で性的行為をしたことになります。

では、浮気相手に過失があるかと言うと、既婚者と知りながら関係を結んだのですから十分に過失がありますよね。

既婚者と知らなくて浮気した場合

よくあるのが、出会い系やSNSで知り合ったケースです。「独身と偽っていたから、結婚していたとは思わなかった?」

この場合には、浮気相手に過失がないかと言う事が疑問になりますが、お互いの素性も全く知らずに、一夜限りの付き合いであれば過失は認められない事が多いのです。

しかし、その後に関係が続いていれば、浮気相手の過失が認められる事があります。

過失とは「不注意で生じた過ち」となっていますので、十分に注意していれば、相手が既婚者かどうかはわかるはずと言う事になります。

関係を続ける意思がありながら、相手が既婚者かどうか調べようともしなかった事に対しての過失が生じます。

注意を怠った事での過ちですから、十分過失があります。

貞操義務違反による妻の権利の侵害

夫婦の権利とは「婚姻関係の平穏」です。

浮気によって、婚姻生活の平穏を維持する事が侵害されたのですから、権利の侵害の賠償請求が生じます。

また、夫婦には貞操義務があり、一方が浮気によって貞操義務に反する行為を行ったわけですから、妻の権利の侵害が生じる事になります。

この権利の侵害の賠償請求が慰謝料となります。

法的な証拠がある事。

浮気相手に慰謝料請求をする場合には、必ず必要になってくるのが「浮気の証拠」です。

浮気調査後に相手に慰謝料を請求する場合には、調査報告書が浮気の証拠になります。

浮気の証拠は次のいずれかが必要になります。

  • 浮気調査の報告書
  • ラブホテルの出入りの写真、動画
  • シティホテルの部屋の出入り写真、動画
  • 浮気相手の自宅の出入り写真、動画
  • 車内での性行為の写真、動画

シティホテルや浮気相手の自宅になると、それだけが目的とみなされません。

そのために、複数回の出入りの動画や写真が必要になります。

浮気に対する慰謝料請求の時効

浮気にも時効があり、時効が過ぎてしまうと慰謝料を請求する事ができなくなります。

この時効の期間が3年間となります。「いつから3年間?」なのかは、不貞の事実確認と浮気相手の所在を知ってからカウントされます。

調査会社に浮気調査を依頼したのなら、調査会社から浮気の事実に関する報告書を受け取ってから3年となります。

浮気の証拠は撮れたけど、浮気相手の所在はわからない場合には、浮気相手の所在を把握してから3年となります。

ただ、この浮気の時効を一時ストップさせることも出来るのです。

その方法が、内容証明郵便です。

「あと少しで時効になって、慰謝料を請求する事ができない」、そんな時には内容証明郵便を浮気相手に送ると、時効を一時中断させることができます。

あくまでも、一時中断ですから、その後6月以内に裁判所に訴状提出をして下さい。そうする事で時効期間を止める事ができます。

浮気に対する慰謝料を請求する場合には、上記の条件が必要になります。

次に慰謝料が請求ができない場合をまとめましたので、ご覧になって下さい。

浮気の慰謝料を請求できない場合

  • 肉体関係のない交際、いわゆるプラトニックラブ
  • 相手が既婚者であると知らなかった場合
    (既婚者かどうかを調べる事をしなかった場合には認められません。)
  • すでに夫婦関係が破たんしていた場合
  • 時効が成立している場合(3年)
  • 相手が風俗店の風俗嬢だった場合
  • 不貞行為の証拠がない場合
  • セックスレス(求めているのに何回も拒んだ場合)

浮気相手に慰謝料を請求する内容証明郵便

浮気相手に慰謝料請求する時には、内容証明郵便を出せばいい」と言う話をよく聞くと思いますが、そもそも内容証明郵便とは何か?

内容証明書は簡単に言ってしまうと、手紙にすぎません。しかも、内容証明書自体に法的効力はないのです。

しかし、法的効力がなくても内容証明書を送る事で相手にはかなりのプレッシャーを与える事ができます。

言わば、内容証明郵便は浮気相手に対しての宣戦布告なのです。

「今回の浮気の件は示談交渉の余地があります。そのためには、記載してある示談金を期日まで振り込んで下さい。

期日までに振り込み、もしくは返答がない場合には示談に応じないと判断いたしますので、法的手段に移行します。」

と言う事です。

相手も内容証明書が遅られてきたことで、"放っておくと裁判に持ち込まれるんじゃないか"と、素直に要求に従う事もあります。

特に浮気相手への慰謝料請求は相手に負い目があるので、内容証明書を送る事でこちらの本気度を示すことも出来ます。

ここでは、内容証明郵便を使って慰謝料請求をする方法とそのメリットについて説明します。

内容証明を相手に出すメリット

  • 示談交渉での問題解決の提示
  • 浮気相手に、プレッシャーを与えられる。
  • 慰謝料請求の本気度を伝えられる
  • 浮気相手に慰謝料請求した証拠を残せる。

参考:アディーレ法律事務所

内容証明郵便を利用することで、浮気相手に対して強いメッセージを送ることができます。次に、その具体的なメリットを説明していきます。

示談交渉での問題解決の提示

内容証明郵便を送ることで、浮気相手に示談交渉の場を設けることができます。示談交渉とは、当事者間での話し合いによって問題を解決する方法です。

この方法を提示することで、訴訟に発展する前に円満に解決する道を示すことができ、相手も誠意を見せやすくなります。

浮気相手にプレッシャーを与えられる

内容証明郵便を送ることで、浮気相手に対して大きなプレッシャーを与えることができます。公的に記録が残るため、相手は無視することが難しくなり、真剣に対応せざるを得なくなります。

このプレッシャーにより、早期に問題解決が図れる場合があります。

慰謝料請求の本気度を伝えられる

内容証明郵便を送ることで、慰謝料請求の本気度を相手に伝えることができます。これは単なる口頭での要求とは異なり、法的手続きを踏む意思があることを明確に示す手段です。

相手に対して、本気で慰謝料を請求していることを強く伝えることができます。

浮気相手に慰謝料請求した証拠を残せる

内容証明郵便は、公的な証拠として残るため、後々のトラブルを防ぐことができます。万が一、訴訟に発展した場合でも、内容証明郵便を送ったことが証拠として有効です。

これにより、自分の主張を裏付けるための重要な証拠を確保できます。

内容証明書で注意する事

1.具体的な事実を明記する

浮気の事実や発生日時、場所などを具体的に記載することが重要です。また、証拠となる写真やメッセージなどの存在も明示すると効果的です。

2.請求する慰謝料の金額を明示する

慰謝料の金額を具体的に記載することで、相手に対して明確な要求を伝えることができます。金額が不明瞭だと、相手が対応しにくくなります。

3.期限を設定する

慰謝料の支払い期限を明確に設定することで、相手に迅速な対応を求めることができます。期限がないと、相手が支払いを先延ばしにする可能性があります。

4.感情的にならない

内容証明書は、冷静かつ客観的な内容で作成することが重要です。感情的な表現や脅迫的な内容は避け、法的に適切な言葉を選びましょう。


内容証明書を法律の専門家の行政書士や弁護士に任せる事が多いのですが、「はたして、自分で書けるのか?」と言うと、勿論自分で書くことができますが、注意が必要です。

内容証明書を相手に送る事は、相手に対して攻撃する意味もあります。

相手にプレッシャーを与える効果と共に、相手側もこちらに敵意をむき出してくると言う事も十分に理解しましょう。

また、相手側が内容証明書を受け取って、それが不当な慰謝料請求だと思えば、相手側が弁護士を付ける事も考えられます。

弁護士から見れば、素人が書いた内容証明書の文書は一目瞭然です。

簡単に言ってしまえば、ツッコミどころ満載と言う事なのです。

後の事を考えて、きちんとした内容を弁護士や行政書士に依頼した方がトラブルも防ぐことができます。

 

内容証明郵便を受け取った相手の出方

  • 浮気を認めない
  • 慰謝料の減額
  • 弁護士に依頼する
  • 内容証明郵便を無視する

内容証明郵便を受け取った浮気相手がどう出るかは、大体予測できます。

まず、「私は悪くない、誘ってきたのはお宅の旦那さんです。」と自分に非がない事を主張してくるでしょう。

それについては、自分の持っている証拠等を持ち出して、それは言い訳にならないことを伝え、相手を説得していく事が必要です。

慰謝料の減額を要求してきた場合には、相場よりも非常識な金額でなければ、相手の所得や経済状況を視野に入れて減額に応じるかを検討してみます。

内容証明郵便を無視して何も返答がない場合には、催告の書面を送ってみましょう。

それでも返答がないのであれば、拒否したとみなして、調停や訴訟に持ち込む流れになります。

ここでは、浮気相手がどのような出方をするかについて説明します。

浮気を認めない

浮気相手が浮気の事実を認めないケースは少なくありません。この場合、相手は「浮気していない」と主張し、慰謝料請求を拒否する可能性があります。このような場合には、証拠が非常に重要です。浮気を裏付ける写真、メールやSNSのメッセージ、証言などが必要になります。証拠が十分であれば、相手が浮気を否定しても裁判などで有利に進められます。

慰謝料の減額

浮気相手が浮気の事実を認めたとしても、慰謝料の金額について争うことがあります。相手が提示された金額が高すぎると感じた場合、減額を求めてくることがあります。このような場合には、冷静に交渉することが重要です。交渉の際には、被った精神的苦痛や経済的損失を具体的に説明し、適正な金額を主張しましょう。また、弁護士に相談して適切なアドバイスをもらうのも一つの手です。

弁護士に依頼する

浮気相手が弁護士に依頼するケースもあります。弁護士を通じて交渉を進めることで、法的な観点からの解決を図ろうとするのです。この場合、相手の弁護士からの連絡が来ることになります。弁護士が介入することで、交渉がスムーズに進むこともあれば、逆に難航することもあります。こちらも弁護士を立てて対応することが望ましいです。弁護士同士での交渉により、公正な解決が期待できます。

内容証明郵便を無視する

最も厄介なケースは、浮気相手が内容証明郵便を無視する場合です。この場合、相手は通知を受け取っても返答せず、交渉に応じないことを選択します。このような態度を取られた場合は、次のステップとして法的手段に訴える必要があります。訴訟を起こすことで、裁判所の力を借りて慰謝料の支払いを求めることができます。無視された場合でも、諦めずに次の手段を講じることが大切です。

内容証明郵便を送ることで浮気相手に対してプレッシャーをかけ、交渉の場を設けることができます。しかし、相手の反応は様々であり、どのような出方をしても冷静かつ適切に対応することが重要です。弁護士の助言を受けながら、最善の方法で問題を解決していくことを心掛けましょう。

内容証明郵便の書き方

  1. 宛先の氏名と住所を明記する
  2. 差出人の氏名と住所を記載する
  3. 「内容証明」と明記する
  4. 請求の理由と金額を具体的に記載する
  5. 請求の根拠となる証拠を列挙する
  6. 支払期限と支払方法を明記する
  7. 支払いがない場合の対応を記載する

1.宛先の氏名と住所を明記する

慰謝料請求先の相手の正確な氏名と住所を明記します。住所が不明確だと配達に問題が生じる可能性があるため、詳細を確認して記入しましょう。

2.差出人の氏名と住所を記載する

自分の氏名と住所もしっかりと書きます。内容証明郵便の送信者情報を正確に伝えることで、相手が対応する際の連絡手段を確保します。

3.「内容証明」と明記する

封筒や書類の表面には、「内容証明」と明確に記載します。これにより、内容証明郵便であることを配達員が認識し、適切に処理されることが期待できます。

4.請求の理由と金額を具体的に記載する

慰謝料を請求する理由を具体的に説明し、求める金額を明確に示します。具体的な事件や日時、行為の詳細を簡潔に記述し、慰謝料の金額の根拠を明確に示します。

5.請求の根拠となる証拠を列挙する

請求の根拠となる証拠(写真、メールのやりとり、証言など)を具体的に列挙します。これにより、相手に対する主張が裏付けられ、請求がより説得力を持ちます。

6.支払期限と支払方法を明記する

支払いを求める期限と方法を明確に示します。支払い期限は相手に対する締め切りを示し、支払い方法は振込先口座や手渡しの方法を記載します。

7.支払いがない場合の対応を記載する

相手が支払いを拒否した場合の対応策を明記します。法的措置の可能性や裁判所への進展について触れ、真剣に慰謝料の請求を迫る姿勢を示します。


このように、内容証明郵便には、請求の根拠となる事実関係や証拠、支払いに関する条件などを詳細に記載する必要があります。

浮気相手への慰謝料請求には、確実な証拠と適切な手続きが不可欠です。内容証明郵便を活用することで、請求内容を公的に証明でき、トラブルの早期解決につながります。ご不明な点がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。

内容証明郵便サンプル

平成○○年○○月○○日

 

通 知 書

                                                                       被通知人

○○都○○区○○町〇番○号

◯◯ハイツ○○号室

○○○○ 殿

 記

通知人

○○都○○区○○町○番○号

○○○○

私は,○○の妻です。

貴殿は,平成○年○月頃から,私の夫である○○が既婚者であることを知りながら不貞関係を開始し,約○年にわたり不倫関係を繰り返していました。

これらの不法行為の事実は調査機関の報告書でも明らかになっていますし、夫も貴殿との不倫関係の事実を認めています。

こうした貴殿の行為によって,通知人と○○の婚姻関係は破綻し,もはや離婚を考えざるを得ない状況に陥りました。このことによる通知人の精神的損害は計り知れません。

つきましては,通知人は,貴殿に対し,不貞行為に対する慰謝料として金○○円の支払いを請求させて頂きますので、本通知到着後10日以内に下記口座にお振込み下さい。

本書到達後10日以内にお支払い頂けない場合には,円満な解決ができないと判断して、法的手段に移行致しますので,ご承知置き下さい。

金融機関名

○○銀行 ○○支店
普通預金口座 口座番号 ○○○○○○○
口座名義人 ○○○○

なお,上記期間内に上記金員全額のお支払いの確認ができない場合には,何ら催告等することなく,直ちに裁判所に訴訟を申立てる手続きに入りますことを念のために申し添えます。

以上

 

本文はサンプルですから、このまま使用しないで下さい。

上記の文書は、離婚を前提に浮気相手に慰謝料を請求する文書になります。

離婚はせずに、浮気相手に慰謝料請求する場合にはまた内容が違ってきます。

浮気相手に慰謝料請求する確実な証拠と内容証明郵便の書き方まとめ

内容証明郵便で検索すると、テンプレートやひな形がありますが、大体が形式に沿った当たり前の文書になっています。

その文書が、自分に合ったものなのかをきちんと判断しなければいけません。

慰謝料を請求する為だけに内容証明郵便を送るのではなく、内容証明郵便は浮気相手に対しての宣戦布告ですから、相手が要求に従わなかった事も予測して、次の手も考えておくことも必要です。

しかしその作業を、何も分からずに一からやるのは大変な事です。

法律に関するある程度の知識も必要となりますので、万が一の事を考えて、内容証明郵便は弁護士か行政書士に書いていただいた方がいいでしょう。